犬の胃腺癌
症例報告(高橋雅弘)
わんちゃんの胃腺癌という病気
内視鏡検査において確定診断が得られます。
10歳齢 M.シュナウザー
慢性的な間欠的嘔吐と体重減少、食欲の減退を示していました。
内視鏡検査所見
胃の壁が重度に肥厚し粘膜は荒れています。出血も見られます。
内視鏡下における生検によって胃腺癌と診断されました。
エコー検査ではこのような胃壁の肥厚が見られ、また胃壁の壁層構造が消失しております。
CT検査での同様に胃壁の重度肥厚が観察されます(緑矢印)。
胃腺癌はとてつもなく恐ろしい病気で、絶望的な場合がほとんどです。
外科的切除は適応にならないことがほとんどです。(胃の病変の広がりや転移があるケースが多いので)
かといって、有効な抗がん剤も知られていません。
本ケースも検査後1週間で亡くなっています。
動物において、人のように人間ドックで内視鏡検査まではしていませんので、早期発見は難しいのでしょうね。