Case4:猫の鼻腔内リンパ腫

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック 内視鏡ケースより

猫 12歳齢 
くしゃみ、鼻水(時折血が混じる)を呈し、抗生物質に反応しない。

鼻の中(鼻腔)の疾患は診断が難しいです。
レントゲンでは骨があるため、はっきりわかりにくい。
超音波検査は骨があるため全く評価ができません。

CT検査は非常に有効です。鼻腔内を横断面で確認できるし、その周囲(骨)などの状況も確認できます。
しかし、確定診断はできないので、最終的には内視鏡の登場となります。

内視鏡と言えば、胃腸の検査と思いますが、実は鼻腔の評価にも使用することが可能です。

内視鏡を口から挿入し、内視鏡を反転させ鼻咽頭内に挿入します。



今回の猫ちゃんでは鼻咽頭内粘膜がボコボコしています。また出血も呈しています。
右の生検鉗子を用いてこの鼻腔内粘膜の生検を実施します。

病理組織検査では鼻腔内リンパ腫と診断されました。

治療は抗癌治療や放射線療法が適応となります。当院では放射線療法はできませんので、抗癌治療となります。

抗癌治療の反応率は良好なケースが多いと言われています。
悪性の癌ですが、1年以上生存するケースやそれよりももっと長く生存しているケースもいます。

最近この疾患は増えてきてるように感じます。猫ちゃんをお飼いになってる飼い主さんは知っておきべきでしょう!!