押しピンの誤飲

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック 内視鏡ケースより

押しピンを誤飲したわんちゃんの内視鏡下胃内押しピン除去動画です!!↓
http://takahashipetclinic.blog62.fc2.com/blog-entry-1050.html

今回の治療までの経緯です。
押しピンを誤飲してしまったとのことで腹部レントゲン検査を実施しました。



胃内に押しピンの一部が描出されました(緑矢印)。
問題は赤矢印で示すように胃内には大量の食べ物が含まれています。
この場合、このまま内視鏡検査を実施しても肝心の押しピンが見つからないことも考慮しなくてはいけません


ということで、このまま思い切って内視鏡下除去を行うか?あるいは食べ物が流れるのを待ってやるか?の選択肢ができます!!

前者のリスクはせっかく麻酔をかけて内視鏡を実施しても、押しピンが見つからない。後者のリスクは食べ物と一緒に胃から排泄され、内視鏡下除去のタイミングを失ってしまうということがあげられます。

今回は飼い主様との話合いの結果、夕方まで待ってみることにしました。

夕方のレントゲン検査所見です。

大量の食べ物は胃から排泄されました!!押しピンはいまだ胃の中だったので内視鏡下除去を行ったのです!!

取りだした押しピン



今回は狙ったとおりの結果でうまくいきました!
処置や検査実施はやればいいのではなく、患者さんの最もよいタイピングを考えるのも我々の仕事です!!