Case1:胆嚢粘液嚢腫による胆嚢破裂

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック外科ケースより

胆嚢粘液嚢腫による胆嚢破裂

ヨーキー 9歳齢

昨日から吐いてぐったりしているとのこと。

腹部超音波検査において胆嚢粘液嚢腫を確認しました。



しかも胆嚢壁の連続性消失(矢印)とこれに加えて胆嚢周囲の脂肪の高エコー所見が見られたことから胆嚢破裂が強く疑われました。
また血液検査において、肝酵素、総ビリルビン濃度そして犬C反応性蛋白の上昇が見られたため、胆嚢粘液嚢腫による胆嚢破裂および肝外胆管閉塞と診断し、緊急手術を実施しました。

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超音波検査所見通り胆嚢が破裂していました(矢印)

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胆嚢を肝臓から剥離していきます。
剥離後胆嚢を切除し、総胆管を洗浄して終了です。


切除した胆嚢の割面です。ピータンの様な様相です。
内容物は流動性がなく、これらの粘液が総胆管に詰まりまた胆嚢壁を虚血壊死させたのであります!!

この胆嚢粘液嚢腫は詳細な病態はわかっておりません。
診断には腹部超音波検査が有用です。