犬の潜在精巣

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック 外科ケースより

犬の潜在精巣を紹介します。

精巣が陰嚢内に下降していないことを潜在精巣と言います。
いわゆる一般的に片金(かたきん)と言われているやつです。


ちょっと分かりづらいですが、緑矢印は陰嚢内治まってる正常な右精巣です。左精巣が陰嚢内に入っていません。

精巣は胎生期に腎臓直下に発生しており、そこから陰嚢内に下降します。犬では生後2ヵ月くらいまで陰嚢内に下降するまで時間がかかることがあります。(自分の経験でも1才までにやっと下降した子をみたことあります)

潜在精巣が停留する部位は、腹腔内鼠径部の皮下に位置していることが多いです。
この状態で放っておくと精巣腫瘍になる可能性が高いです!!

診断は超音波検査で腹腔内および鼠径部をスキャンすれば、精巣の位置を確認することができます。

治療は、腫瘍化する可能性があることと遺伝性疾患でもあるため、去勢をおすすめすることになります!!

↓クリックすると写真が大きくなりますが、血がだめな方はクリックしないでください!!

上写真と同じ症例
腹腔内に精巣が存在しました!!