動脈管開存症(PDA) 根治可能な先天性心疾患

症例報告(高橋雅弘)

高橋ペットクリニック外科ケースより

動脈管開存症(PDA)は先天性心疾患です。
胎児の時に存在する動脈管が生後に閉鎖しなかったため、大動脈から肺動脈内に血液が流れ、肺の血流量が増加し、左心系のうっ血性心不全を引き起こします。

マルチーズ 2ヶ月齢のミルクちゃん
心雑音、運動不耐性で来院しました。

来院時はわずか350gでした。



胸部レントゲン検査では重度の心臓拡大がみられました!




確定診断は超音波検査です。



肺動脈内に逆流するモザイク血流が検出されました。

咳が出現するようになったので予定を早めて手術を実施することになりました。
(手術時体重は400g)

↓クリックすると写真が大きくなりますが、血がダメな方はクリックしないでください!!



矢印は大動脈から肺動脈に流れ込む動脈管です。
イーグルフックを用いて動脈管を剥離したところです。

動脈管に糸を通して結紮して終了です。
↓クリックすると写真が大きくなりますが、血がダメな方はクリックしないでください!!


わずか400gという小さな体で手術に耐えてくれました!
動脈管開存症(PDA)は根治可能な先天性心疾患です。


今回は飼い主さんが同じ病気で戦う子犬たちに勇気を与えたいという気持ちでブログの掲載を了承してくれました!!

ありがとうございます!!